歯周病を治療する基本!歯周基本治療
周病は軽度の場合を除き、歯磨きをするだけでは治らず、ほとんどの場合進行してしまいます。そのため、歯周病を治すためには歯科医院で治療を受ける必要が出てきます。このときに最初に行われる治療のことを歯周基本治療、または初期治療と呼んでいます。
歯周基本治療とは?
歯周基本治療とは、歯周病の原因を取り除き、その後細菌の感染が起こりにくいような環境を作り出す、すなわち、歯周病が進みにくい環境を整える処置のことです。また、その後歯周外科手術(歯周病治療のための歯茎の手術)が必要な場合に手術を成功に導くため、リスクを減らす目的のためにも行われます。
歯周基本治療の目標は?
歯周基本治療は具体的には次のようなことを目標にして行います。
1.急性症状を和らげる
歯周病からくる痛みや腫れなどの症状を和らげます。
2.慢性炎症を軽減する
歯垢、歯石などを除去することによって、歯茎の炎症を軽減させます。
3.歯周病を悪化させている原因の除去
歯周病を悪化させている要因(リスクファクター)を取り除いていきます。
4.歯周病の進行を食い止める
患者さんの口の中への衛生意識や歯周病の知識を高めるために、ブラッシング指導や生活指導を行うことにより、歯周病が進行しにくい環境を作り出します。
歯周基本治療で行う内容
歯周基本治療で行う内容は次のようなことです。
1.応急処置
痛みや腫れが出ている部分の炎症を抗菌剤などで抑えます。
2.モチベーションの向上、プラークコントロール(歯磨き指導)
歯周病を改善、またはその後の進行を食い止めるためには、患者さんに歯周病の起こる原因を知ってもらい、自分自身で口の中の衛生管理をきちんとしてもらうことが最も重要です。そのため正しいブラッシングの方法を身につけてもらい、またさらには歯周病を悪化させないための生活習慣や食習慣での注意点を知ってもらうことも不可欠です。
3.スケーリング・ルートプレーニング
歯磨きで取れなくなってしまった硬くなった汚れ(歯石)を専用の機械や器具で取り除きます。歯石を取り除くことをスケーリング、歯根の表面に付いた細菌の毒素を取り除いて歯根の表面をなめらかにし、細菌がつきにくくすることをルートプレーニングと呼びます。
4.不良修復物・補綴物のやり直し
歯周病を引き起こす原因となっている不適合な詰め物や被せ物がある場合は、それを除去してやり直す必要があります。
5.咬合調整
歯に歯周組織を破壊する強い力がかかっている場合、噛み合わせの調整、また歯ぎしりなどがある場合はマウスピースをつけることによって歯に加わる力のコントロールをします。
6.暫間固定
歯周病が進行して歯にぐらつきが出てきている場合には、噛むたびに歯が揺さぶられて周囲の組織が破壊されるのを防ぐために、隣接の歯と固定した方が良い場合があります。
7.抜歯
歯周病が重度に進んで骨が歯根の先端まで吸収している場合には、無理に残すよりも他の歯を巻き込まないうちに抜歯をした方が良い場合があります。
以上のことを行っても深い歯周ポケットが残っている場合には、細菌が歯ブラシの届かない歯周ポケット内に再度繁殖して、歯周病が再度悪化する危険性があるため、歯周基本治療の次のステップとして歯周外科治療と呼ばれる歯茎の手術を行う場合があります。
まとめ
歯周基本治療をしっかりと行うことで、通常は歯茎の状態は改善していきます。しかし、歯医者での治療だけに頼って自宅でのケアを怠っていると、歯周病はまた再発してしまいます。そのため、歯周基本治療を行った後は生活習慣や食生活に注意しながら、歯磨きによるプラークコントロールを丁寧に行い、定期的に歯科医院でのメインテナンスを行うことが歯周病を再発させないために大変重要です。
カテゴリー:みらくるコラム 投稿日:2016年11月2日